最後の最後に。

7月20日。

セントマーチンズのニットデザインのサマーコースも、
今日で最後。
編み機を使わせてもらえるのも最後...というわけで。

今日は6時に起きて、早く学校に行く事にする。
編んでる時、順調に進んでても、一度目を落とすと修復するのに相当な時間を費やす。
だから、思うように練習が進まない。
もう嫌――!と叫びたくなりほど、
何回も突然目を落としてきたおかげで、よっぽどの事がない限り
自分で直せるようになった。慣れってすごい。

一週間しか通ってないのに、
クラスメイトとの絆は深まり、「今日で最後だね。」と話す度に切なくなる。

お昼はいつも、ここCANTEEN(学食)で食べていた。

最後だし、お天気いいし、という事で今日はテイクアウトして、
外で食べる。いつも一緒だったメンバー。

お昼から戻ると先生のアリスが、ニットデザインのアッパーレベルの生徒の
ファッションショーがあるから見に行こう!と提案してくれて、別室へ移動。


ショーが終わって、嬉しそうに修了証書を受け取ってる生徒さんをみて、じーんときた。

授業を実際受けてみて思ったけど、ファッションの勉強も限りなくアートに近い。
そして先生は絶対に正解を教えない。まぁアートには
正解がないからだと思うけど。例えショートコースであっても、
生徒の持ってるイメージを最大限活かす為、その方法を教える事に
徹している。だから、3年制のコースともなれば、新しい才能がどんどん生み出される。
実際、3年制のコースの卒業制作の展示会には、
ファッション企業の人達が新しいアイデアを求めて、訪れる。
みんな自分の名刺を作って、作品の横に置いていたけど、
一目置かれている生徒の名刺ボックスは
もちろん空だった。


話は戻り、
今まで習ってきたニットのパターンを何か形にして残したいと思って、作った
ニットストール(ニットネックレス?)が
授業の20分オーバーで無事完成。
上の写真とは雲泥の差ですが...
仕上がりがチューブみたいになるように、ジャージーではなく、ベーシックな
編み方にしてみた。


一番難しかった、レース編みが何とか形になって嬉しい。
デニムのテープを付けてみた。
秋口にざっくりした白のシャツに合わせたらいいかもとか思いつつ。
そしてこれも。


授業が終わってから、私の気になる存在だった修理のおっちゃんに
教室に残れるのはあと20分ねー!!と言われながらも、
アイロンでプレスの仕方を聞きに。ついでに、色々聞いてみた。

編み機の修理もしているけど、ニットも教えているらしい。
音を聞いたら、大体何が起こったかわかるらしい。
この編み機の部屋を全て任されていて、編み機を買ったりもしている。E-bayで。笑。
とにかく、ここのボスということらしい。

おっちゃんの作品、スーパー繊細。

そして、特別におっちゃんの恋人「BETTY」を見せてもらった。


40ゲージの編み機

おっちゃんとBETTY(ドイツのメーカー)

工場のニットの編み機にはドイツ、日本の2つの種類しかないという事を知る。
そしてこの機械、1台、£140,000=¥21,000,000 もする。
どうやって服ができるかも教えてもらった。

初めは20分後には教室出てね!と言ってたけど、結局1時間くらい、
ニットの事、工場の事、マーケティングの事、色んな話をしてくれた。

さらには、ここを卒業した日本人のニットデザイナーを紹介してくれるという。
今東京で、活躍しているYasutoshi Ezumiさん。
本当に才能ある子だから、色々聞いたらいいよ。と。
どこまで良い人なんだ。

これからまた面白い出会いがありそうな予感。

出会いと別れがあった一日。
ロンドンまで来て本当に良かったと思った一日の終わり。



良い週末を。